[99/11/26] 



 
 
私(管理人)の送ったファイルがウィルスに感染しており、その事で色々とありました(ゴメンナサイ)。その後、話題になったのは「パソコンメーカーのサポートについて」。
それに関連して、某ホスト系SEから意見がよせられました。


  パソコンの不具合をメーカーに相談すると、必ず「OSを再インストールして下さい。」と言われる。そしてメーカーに修理に出すと、再インストールされて帰って来る。これはどこのメーカーでもそうだ。
  アコギな商売だ。原因はコストパフォーマンスだ。調子の悪いパソコンを、一台一台ちゃんと調査して対応していたら、商売としてペイしない。だからまとめて皆んな再インストールしてしまうわけだ。技術的な問題ではない。

  問題は人件費だ。SEを1日拘束するには約\80,000掛かる。ホストコンピュータだったら、企業もそのくらいの金を払ってSEを常駐させるが、パソコン一台にそれだけの金を掛ける企業はない。まして個人がそんなに払えるわけがない。だからパソコン屋は何でもかんでも安く上げようとする。そうしなかったら、SEは唐津に行く航空券が買えない。

  ソフト会社のSEでも、ホスト担当とパソコン担当とは人種が違う。嘘だと思ったらうちの会社に来て見るといい。初対面の相手でも、服装を見ただけで担当が判る。俺はホスト屋だ。パソコンの連中とはペースが合わない。

  しかし最近は、異常にパソコンに詳しい素人が多い。ホストSEなんぞものの数ではない。俺の友人は重電屋さんだ。電信柱に登っている人だ。しかしホストSEの俺の300倍くらいパソコンに詳しい。そーゆー人を見つけて直してもらうのだ。メーカーに依頼してはいけない。
 



 パソコンのサポート体制が結局はコストパフォーマンスだって話は前回したけれど、ハードウェアやソフトウェアを作っている製造元だって同じ状況。

  パソコンのハードウェアを信用してはいけない。必要なデータは必ずバックアップを取らなければいけない。
  パソコンは価格競争が激しいから、機械はコストダウンの塊。信頼できる部品なんて一つもない。

「ちゃんとした部品を高く売るより、欠陥品を安く売る方が消費者は喜ぶ。」
  全てのメーカーはこれが基本。これは元々アメリカ人の発想なのだが、日本のメーカーも同じ発想で商売しなければ倒産してしまう。
「何だそりゃ! 高くてもいいからちゃんとした製品を作れっ!」
って言う人も当然いるわけで、金融機関などはそういった端末機を使っている。
  必要であればメーカーに言えばそのようなパソコンを買うことができるけど、20万円のパソコンと同じ性能で、300万円以上する。ただ、信頼性の高い部品を使っているだけ。

  ソフトウェアだってコストダウンの塊。
  一般の日本人の発想からすれば、計算結果がデタラメなソフトなんて売るんじゃねえ! って思うのだろうが、この地球上にはそう思わない人が多く、そう言う人々のことをアメリカ人と言う。
  たとえばWindowsだとかExcelだとかWordなんてのは皆欠陥商品。しょっちゅうデタラメな計算結果を出して知らん顔しているのは皆さんご存じの通り。
  メーカーだって、もっとちゃんとしたソフトを売りたいのだが、ユーザーがWindowsしか買わないのだから仕方が無い。結局市場原理に押し流されてしまう。
  もちろんそんなソフトばかりではない。
  たとえば金融機関のオンラインプログラムだとか、競馬場の馬券取扱システムなどがそれ。
  競馬場のシステムが狂ってしまったら、暴動が起きて何人死ぬか判らない。
  だからソフトの作成は、沢山の手間暇掛けてチェックする。ソフト作成工程の80%以上がこのチェックに費やされる。その代り値段は高い。人件費が掛かっているから。
  しかしマイクロソフトはそんなことしない。出来上がったらすぐに市場に出す。作った商品のテストなんざほとんどしない。
  結局全ては市場原理。

「少々値段が高くてもいいからちゃんとした製品を買いたい。」
と思うのは日本人だけであって、ユーザの大部分を占めるアメリカ人は、「とりあえず動けばOK。それで値段が安ければ文句は言わない。」って行動原理なのだから、
地球上にそんな製品が溢れることになる。

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