ピマーイ探険記(5)

by チャーリー岸田

タイ式マッサージ

 コラート到着の翌日、我々一行はコラート市内の『タイ式マッサージ』の店に出掛けた。

 実は柴ヤンがタイに行ったのは、このタイ式マッサージ習得が当初の目的だったのだ。これはヨガの流れを汲むもので、一度受けたら病み付きになる。日本で整体師の資格を取った柴ヤンは、その延長でタイ式マッサージの修行に出掛け、そのままこの国に沈没してしまった訳だ。

 TeamJustもKing'sCup遠征の折に毎回利用しているのだが、観光地であるプーケットに比べて田舎町の方が値段も安いし技術的にも数段上だ。観光地と違い、リピーターの客が多い場所では、中途半端な技術では淘汰されてしまうようだ。

 我々4人を担当したおばちゃんたちは、確かな技術を持ってはいたが、ずーっとお互いに冗談を言いながらキャピキャピとお喋りを続けていた。

岸田 「柴ヤン、このおばちゃんたちは何を話しているんだ?」
柴ヤン 「判らねえ。方言がきつ過ぎるんだ。」
 どうやら整体師のおばちゃんたちは、ラオスに近い田舎の村から出て来た人たちであるようだ。

 ところがいきなり、そのおばちゃんたちの会話が止んだ。ふと見ると柴ヤンの奥さんが居るではないか。柴ヤンの奥さんは、この店の入り口で別れ、町で買い物をしていたのだが、買い物が済んだので戻って来たようだ。彼女は面白そうに我々の姿を眺めている。

 そして整体のおばちゃんたちは、柴ヤンの奥さんが登場したことで急に私語を止めてしまったのだ。

柴ヤン 「どうやらこのおばちゃんたち、エッチな会話をしていたようだな。それで言葉の判る人間が来たから気まずくなったんだろう。」

 約2時間の施術が済んで、K先輩隊員にカメラを向けると、彼を担当していたおばちゃんが、ふざけてK先輩に抱きついた。

K先輩 「止せ〜っ! やめろ〜っ! くっ付くなぁ〜っ! こら岸田っ! 写真撮るな〜っ! 奥さんに見られたら誤解されるじゃないかぁ〜っ!」
 その後もK先輩は、奥さんに誤解を招くといけないので、この写真は絶対に皆に送らないようにと言い続けた。妻帯者にとって、妻の存在は絶対的なものであるようだ。

 K先輩、どうもすみません。やっぱりメールに載せてしまいました。

つづく

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