ピマーイ探険記(10)

by チャーリー岸田

ピマーイ

 添付の写真はピマーイ遺跡。土地に段差があり階段などが付いているが、実はこの階段は船に乗るために使用されたもの。実はこの寺院は、その昔は水の中に建っていたのだ。段の上の土地が人の歩ける地面。そして下は水で満たされていたのだ。日本で言えば広島の「宮島」みたいなものだ。

ピマーイの遺跡

 水に浮かぶ壮麗にして巨大な寺院。12世紀当時のこの寺院の姿が目に浮かぶではないか。
 日頃俗な世界に生き、また人一倍煩悩の強い我々JUST&七福神チームも、古代の人々の息吹に触れ、感動を隠せなかった。

 時は9月。タイでは最悪の季節である。雨季の後半の豪雨季で湿度が高く、不快指数はほぼ「100」。まるで名古屋の夏である。そして虫も多い。乾季初期の最高の季節に行われるKingsCupとは雲泥の差だ。こんな季節にタイに旅をする者などまず居ない。しかし、そんな最悪の気候であるにも係わらず、俺たちの心は晴々としていた。

「よくここまで来られたものだ。」
「今度はカンボジアだな。どうしてもアンコールワットに行きたいぞ。」
 誰からともなく、そんな言葉が漏れた。
 この寺院の何倍もの巨大な、そしてジャングルの中に埋れた未開の遺跡。夢は広がる一方だ。

 そしてこの日、東京組は帰国の途に着いた。夜までにコラートに戻り、そのまま夜行バスでバンコク空港。そして早朝の便で日本に戻らなければならない。体力的にも厳しい行程だが、それ以上に、この古代ロマンと現実社会とのギャップが俺たちの意識を疲れさせた。

<結論>

 タイは凄い。
 今回のレポートは遺跡巡りが中心で、タイの一般人の生活を言葉にすることができなかったが、やはり一番衝撃を受けたのは、現在タイに住む人々である。

 タイには色々なものがぎっしりと詰まっている。そしてそのパワーが凄い。
 「現代の日本人が忘れかけている素朴な・・・」 などと言う生易しいものではない。 ある意味では我々の一歩先を進んでいるものもある。

 たしかにタイ人はのんびりしていて抜けている面もあるが、そんな気楽に暮らせる根拠も、自信と強さの表れであるのかも知れない。この国は大きな可能性に満ちている。

Seaside Cafeのトップへ戻る
HOME