アングラー出撃せず

by チャーリー岸田

あらすじ
 

1997年夏。チームJUSTは自分達の艇がないチームとなってしまった。
そんなある日、五十嵐キャプテンの知り合いの艇、「アングラー」に乗せて頂けることになり、東京に転勤してしまった岸田氏も遊びに来ることになったのだが…


8月23日の土曜日、名古屋へと向かう新幹線の中で、横田から電話。

横田「もしもし。明日のアングラーは無くなったそうです。」
岸田「なにーい?  じゃあ俺は何しに名古屋に行くんだ?」
  しかし、新幹線は引返せない。そのまま名古屋へと向かった。
  当日はショーケン宅に一泊し、乗る船のあても無いまま、岸田とショーケンは翌24日朝、日産マリーナに行った。
  マリーナでワイズワンのアラキさんと遭遇し、ワイズワンに乗せてもらうことに決定。やや遅れて横田も到着。
横田「もう、バッチリっすよ。」
  何がバッチリなんだか全然分からないのだが、岸田・ショーケン・横田の3人は、ワイズワンのビジターとなった。
  ワイズワンの出艇間際、五十嵐キャプテンが忽然と桟橋に現れた。
五十嵐「今日は、ナッチャンとボリショイサーカス。キャハハハハ!」
萩原「キャプテン!  俺達はどうなるんすかぁ?」
  キャプテンは何も言わず、踊るような足取りで駐車場へと消えていった。

  みなし子となったJustの3人は、肌は真っ白。段々と日焼けして、真っ赤になり、まるでヨットに初めて乗ったビジター丸出しの風体だった。
  それに比べて、赤銅色の肌をしたワイズワンの連中が、何と逞しく見えることだろう。
  午後3時。ワイズワンはハーバーに戻り、バーベキュー大会。横田とワイズワンオーナーの梅村氏はケダモノのようにビールを飲みだした。
梅村・横田の両名は、妙に性格がシンクロしてしまい。陽が暮れて、ショーケン及びワイズワンのクルー全員が帰宅しても、延々と話し続けた。
 

梅村「いやいや。俺はね、鳥羽パールレースの安全検査体制にも問題があると思うんだが・・・」
横田「ジャストはバッチリっすよ。」
梅村「この日産マリーナには、クラブの体制が無いから・・・・」
横田「ジャストは来年もケンウッドっすよ。」
  まったく話が噛み合っていないのだが、ヨッパライには大きな問題ではないようだ。
しかし、問題は岸田の終電。新幹線が無くなったら帰れない。
 
岸田「そろそろ帰ろうぜ。」
横田「バッチリっすよ。」
  全然バッチリではないのだが、梅村・横田コンビは、全然立上がる気配が見えない。結局、宴会が終わったのは夜の8時。
 
横田「大丈夫っすよ。9時までには名古屋駅に着きますよ。」
岸田「い・いや、遅れてもいいから安全運転で・・・」
  横田はいきなり、日産マリーナ前の道を、時速110kmで飛ばし始めた。
岸田「よ・よせっ!  左側に歩行者だあぁぁ!  自転車もいるぞぉぉ!」
横田「バッチリっすよ。」
これは恐かった。名古屋に行くのも命がけだ。
 


追伸

1.部長の店

 8月23日夜。岸田とショーケンは、部長の経営する浜松の「○○○○」に向かった。岸田の服装は、短パンにサンダル。この服装で店に入って、思いっきり大声で下品な話をしてやるんだ。
しかし、店の中には、にぎやかな若いねーちゃんが多く、おじさん二人は完璧に霞んでしまった。これでは、いくら大声で話したところで、全然目立たない。
 そこで予定を変更。徹底的に店のアラ探しをして、メイルで悪口を言いふらしてやろうと思ったのだが、従業員の態度からトイレの清掃まで完璧だった。
 油の多いイタリア料理なのだが、いくら食べても全然胸焼けしない。常に新鮮な油と入換えているようだ。
どう見ても、これがあの部長の経営する店とは思えない。なかなか良い感じの店だった。
2.ショーケン宅
 部長の店からショーケン宅に帰宅。岸田は風呂に入り、風呂上りにタオルで股間をワシワシと拭きながら、ショーケン宅の居間を歩いていた。風呂場の脱衣所よりも、居間の方がエアコンが効いていて涼しいから。
するとショーケンは、床に伏せって何かを探している。

岸田「ショーケン。何やってるんだ?」
萩原「岸田さん。ちん毛落さんといて下さいよ。滝ちゃんが岸田さんのちん毛を見つけたら大変なことになっちゃうんですよ。」

ショーケンは、岸田が落したちん毛を拾い集めていたのだ。
 

萩原「滝ちゃんは奇麗好きなんで、もう大変なんですよ。」

一見スイートに見える新婚家庭も、内情は大変そうだ。お客のちん毛を拾って歩くなんて、なかなか出来ることじゃない。

以上

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