濱ちゃんワールドby ショーケン
キングスカップに一緒に行った唐津の陶芸家、濱田さん(以下 濱ちゃん)の艇「WIN」でアリランレースに参加することになった。アリランレースは外洋レース。艇を見ておかないと心配だ。
俺達は唐津のある喫茶店の駐車場で濱ちゃんを待っていた。柴木さんと新幹線で博多に着き小松師匠と合流。師匠の車で唐津にやってきたのだ。しばらくすると白のクラウンが、ものすごい勢いで飛び込んできた。なんだコイツは危ねえな。するとクラウンの中から現れたのは、白い子犬を抱いた濱ちゃんではないか。 「わははは。よー来た。よー来た。あとは全て段取りしてあるけん、心配せんでよか」濱ちゃんはついて来いと言ってクラウンに乗って走り出した。狭い道を飛ばす飛ばす。白い子犬は車内で跳ね回っている。おいおい、待ってくれ。そんなに飛ばして大丈夫なのか? そう、ここは唐津。濱ちゃんにとっては庭のような「濱ちゃんワールド」なのだ。 寿司屋での昼食が済んで、濱ちゃんの艇「WIN」が係留されている漁港へやって来た。それにしても今日は寒い。雪まで降っている。2年前に旅行で来た時も雪だったぞ。俺が九州に来るときは雪と決まっているのか?
それから、濱ちゃんの窯「櫻窯」へ案内された。途中、濱ちゃんの自宅を通る。県道を走っていると、「何だあれは?」。何と入り口にヨットが鎮座している家があるではないか。それもディンギーのようなチャチなヨットではなく、立派なクルーザーだ。なんとあれが濱ちゃんの家だと言う。家が何軒も建ってるけど、あれ全部が家なの?あ、半分がアパート(と言うか貸家)なんだ。だけど10軒以上あるぜ?え、15軒?すごいなー、濱ちゃんって大地主さんなんだ。
窯は自宅から車で5分程の距離にあった。道はついにクラウンの幅程に狭まったが、濱ちゃんはマイペースで爆走する。
日が暮れて、宴会がセッティングされているという、唐津の中心部にある大きなホテルに案内された。 「ここはワシが経営しとるけん、遠慮せんでよか」と濱ちゃんは豪快に笑う。おいおい、本当か?こんな立派なホテルを経営しているのか? けど何か変だぜ。 濱ちゃん、ホテルのフロントで道順聞いてるし、従業員も濱ちゃんを見ても挨拶一つしない。 まあ、いいか。あまり詮索しないのが大人というものだ。 ここでWINの牧原さん・知念さんと合流、宴会が始まった。素晴らしい魚介類がどんどん出てきてどれもうまかったが、イチオシはイカの刺身だ。イカの刺身って本当は透明だったんだね。笑われるかもしれないが、白いやつが刺身だと思っていたのだ。ゴメンよイカ、あんたは味も見かけもクリアーな奴だったんだね。これから「好きな刺身ベスト5」にあんたを入れるから許してくれ。
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