by チャーリー岸田
唐津くんちは宵山バイ! 旅行ガイドには「見所は3日の本祭り」なんて書いてあるバイ。バッテン、地元の者モン皆、「宵山が一番バイ」言いよるバイ。 夜7時、14其の曳山が一斉に動き出すバイ。それまで14の町内会がそれぞれ空き地や公園に集まって気勢上げちょるバイ。ハッピは皆んなシルクばい。唐津モンば京都の連中なんぞに負けちゃおられんバイ。 曳山はでかかバイ。4トンはあるバイ。それを何百人もの氏子が曳くバイ。曳山の中ではお囃子バイ。曳山の外側は提灯ぶら提げて照らすバイ。凄かよ。 いなせな若衆が曳山曳くバイ。威勢良かバイ。バッテン、我々観光客も負けちゃおれんバイ。俺達も二列縦隊バイ。「エンヤー!エンヤー!」の掛け声で走るバイ。そのまま沿道の一般民家に乱入バイ。 沿道の民家は皆んな宴会バイ。唐津モンは盆と正月に帰らなくても、「くんち」には必ず帰るバイ。ほんで一般民家では樽酒割って、親類縁者一族郎党友人知人赤の他人入り乱れて大宴会の最中バイ。今夜は無礼講バイ。俺達はどの家に乱入しても大歓迎バイ。(注) もう飲めんバイ、もう食えんバイ。バッテン、次の家に行くと、また別の美味かもん出て来よるバイ。食わにゃ損バイ。終わり無き宴会バイ。くんちは体力が必要バイ。 翌日の本祭りも凄かバイ。全部の曳山が小学校の校庭に集合するバイ。校庭はわざわざ畑ごた耕してあるバイ。まるで海岸の砂浜バイ。そこに曳山が次々入って来るバイ。
「そりゃ祭りだからバイ。」全部の曳山が集合したら、また一般民家に乱入バイ。昨夜の続きバイ。 やっぱり唐津は港町バイ。身内も余所モンも関係無かバイ。海の民は、何十年来の仲間も初めて会った余所モンも、皆んな同じ扱いバイ。それが信州の山の民とは全く逆バイ。 しかし疲れたバイ。俺たちゃ単なる観光客バイ。こんなに体力の必要な観光は初めてバイ。帰りの電車の中じゃ、観光客が床にブッ倒れちょったバイ。来年は身体鍛え直して出直すバイ。 終わりバイ。
注: 誰でも一般民家の宴席に乱入してよいわけではありません。今回お世話になったお宅はどれも濱ちゃんの知り合いで、普段からきちんとした付き合いがあるわけです。
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