川下良二の海外事情(4)
by 川下良二


その4「メキシコの憂鬱編」

「メキシコにいったことがありますか?」と尋ねられた方で「はい」と答えた方は次に大抵こう続けます。

「カリフォルニアに遊びにいったついでに、国境を超えてテイファナへいったけれども、街が汚なかった。」
とまあこの程度。
しかしながら、小職は断言します。メキシコへは、メキシコシテイ入国がメインルートです。
小職は墨国に5回ほど入国したことがありますが、高地で治安が悪く、外国人にとって難儀な国です。

メキシコへシテイには、JALで週2便バンクーバー経由で16時間程度でたどり着けます。
空港へ降り立つと、眼球がゆがんだように風景がくすんで見え、はっきりいって汚い。
税関を出ると、シロタクやらホテルの客引きやら、こじきが、たかって来てごったがえします。それらを振り切りタクシーチケットを買って、タクシー(VWカブトムシ、ドアは2枚)に乗り込みホテルを目指します。運転マナーは悪く、ぶつかるんじゃないかと思うくらい怖い。先に頭を突っ込んだ方が勝ちです。
山肌には、不法に家(バラック)を造った輩が占拠し、まるでインデイジョーンズの世界。1968年のメキシコオリンピックスタジアムは荒れ放題です。
ホテルでも水は飲めません。飲むと強力な下痢に見舞われます。シャワーを浴びて口に入るだけでもダメです。ミネラルウォターがなくて、コーラーで歯磨きをしたなどの逸話はよく聞きます。

トイレでは、拭いた紙は流すことはNGです。多分つまるからだとおもいますが、よこに置いてあるタンボール箱に捨てます。チョット汚い。

実は、海外で過去2回ほど小職は体に支障をきたしたことがありますが、両方ともメキシコです。

一度は、日曜日にテイウォテイワカンのピラミッドへ遊びに行きました。よせばいいのにピラミッドの頂上に上ってはみたのですがーー。その時は感じなかったのですが、ホテルの自室に帰った後、呼吸が苦しくなり、その場に倒れてしましました。ひどい頭痛がし、医者を呼ぼうと試みましたが、その場で気を失ってしまいました。高山病です。海抜2000mもある高地であることを忘れていました。
目が覚めたのは、翌朝でした。

2回目は、日本からのお客さんを6名アテンドした時のことです。かわいい雛鳥を狙うカラスよろしく、いたるところで、たかり、引ったくり、が襲ってきました。いきなり「コンニチワ」といいながら、ポケットに手を突っ込んでくるメキシコ人がいます。そのたびに小職は大事なお客さんとメキシコ人との間に割って入って防ぎ、カタコトのスペイン語でわめき散らします。ホテルの外では夜、発砲音が聞こえました。

しかしながら、ホテルをチェックアウトする日、事件は起きました。
小職は先に会計を済ませ、6人の様子をうかがっていました。その一瞬の隙をつかれカウンターに置いたお客のカバンを置き引きされました。パスポートと現金3万円ほど盗られてしまいました。
目の前の事件に呆然とし、体の気合が一気に抜けてしまいました。
後処理として、警察を呼びレコードを発行してもらいました。更に現地駐在員(忙しい)に頼んで、日本大使館へ同行してもらい、パスポートの発給を受けました。なんとか帰国できそうです。
業務追行が出来なかったふがいなさに、その夜ついつい水割りを飲んでしましました。それがもとで、ひどい腹痛をおこしてしまい3日程苦しみました。

難儀な国やー。 はっきり言ってメキシコほど憂鬱な国はありません。しかしながら、安価な労働資源を求めて、途上国へ、未開の土地へ入っていかなければなりません。欧州であれば東欧へアフリカへ、アジアであれば、中国へ、インドへ。それが企業としての宿命でしょうか。

やはり、日曜日のことでした。お城の近くを歩いていた時のことです。出し物を発見しました、20mくらいのポールに4人の男が宙吊になって回りながら、音楽に合わせて降りてくるショーです。ぱっとしない芸ですが、子供が集金に回っていました。 そう言えば、とはっと思い出しました。TVの「なるほどザワールド」で見た覚えがあります。深いため息の後でしみじみと一言小職の口から出ました。「思えば遠くに来たもんだー。」

来月(2月)メキシコへ行かなければなりません、イヤだー。だれか代わってくれー。

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