ヨット用語の語源

by TEAM JUST

[萩原]

 パラフレWebサイトの掲示板に「メンチャンのチャンは何のこと?メインセイル?メインシート?教えてください。」と書かれていました。誰か回答を書き込んで下さい(師匠、わかりますか?)

 私が揚力のことでいちゃもんをつけたばっかりに、このような挑戦をうけてしまいました。うえーん

[岸田]

 ヨットにはそのような意味不明の用語が色々あるので、岸田はできるだけそのような曖昧な言葉を使わないようにしています。
 今まで岸田が「メンチャン」なんて言ったことはないでしょう?(柴ヤンの友人の『メン』に対しては『メンちゃん』と呼んだけど)

 他には、スピントリムのときの「クランクー」って言葉。
ウィンチハンドルがクランク型をしているからと言って、どうしてスピントリムのときだけクランクって呼ぶのか判らないっす。

 できるだけそのような隠語を使うのを止めて、スタンダードな言葉を使おうぜ。
 「メインシート」、「メインセール」、「シート・オン」って言葉を使えば済むことではないか。

[宮地]

 宮地は、「メンチャン」と少なくても呼んでいました。
これは、ヨットに乗ってから覚えた言葉です。「メンチャン」=「メインセール」のことです。
ただ、「チャン」の意味は特にないと思います。

[萩原]

 どこかの艇でセイルタイ(ガスケットが正解でしたっけ)のことをラーゲなどと呼んでました。
セイルタイ→タイ→体位→ラーゲ・・だって。
こういう感じで、変な言葉が作られていくのでしょうね。

でも、なんでガスケットというのでしょう?
ガスケットを辞書(研究社 新英和中辞典)で引いてみました。
gasket 括帆索  と載っていました。
tie は ひも、なわ、くつひも、結び目・・等の意味があります。

ガスケットでもセイルタイでも、語源は英語のようですね。
ガスケットが気になるので、英英辞典(開拓社 新英英大辞典)で引いてみましたが、載っていませんでした・・

[K松師匠]

 おはようございます。
16年前の 運○省航海訓練所「日○丸」 士官候補生 CADET No ○○ 、現在 外資系金融機関 勤務の 気仙沼出身のK松です。

 セールがガフリグなどの縦帆の場合、ブームはそのまま「ブーム」。それを操るのはシートといいます。
横帆(スクエアセール)の横桁は「ヤード」といって、それを操る索は「ブレース」といいます。
横浜の日本丸を見に行ったら何気に「ヤード」といえば 無料で乗船できます。さらに「ロイヤル」といえばマストの一番上のヤードまで登らせてくれます。

「メンチャン」はヨット俗語でしょう。 日本の帆船用語は英国式を習っています。
「ガスケット」はそのまま「ガスケット」で通用します。ブームやヤードにセールを縛り付ける索を言います。

 ぜんぜん関係ありませんが いよいよ銀行預金に「ペイオフ」が導入されますが、Pay Off はもともと「競馬の配当」の事です。銀行窓口のオネエチャンとの話題作りにどうぞ。銀行窓口のオネエチャンは「テラー」といいますがこれはヨットの「ティラー」とは全く関係ありません。

[萩原]

 うーっむ、さすが師匠ですね。 そういえば、「ボライソー」や「ホーンブロアー」を読んだら、士官が「ブレース引けー」などと 言っている場面がよくありました。

スピンポールについている索を「ガイ」と言いますが、これは帆船用語からの引用なのでしょうか? それとも、これもヨット俗語??
またまた英和辞典を引いてみると

guy ガイ、張り綱(起重機につるした荷物を安定させる)、(デリック・煙突などの)ささえ綱
調べてみると、載っているものですね。

[岸田]

 ガスケットはそのものを指す言葉であって、セイルタイは「セイルを結ぶもの」と言う意味の言葉だ。
「なーんだ。それならどちらでも良いではないか。」と思うだろうか?
 俺は思わない。

 ガスケットをセイルタイと呼ぶのは、
飛行機を「エアロ・プレーン」ではなく「フライング・マシーン」と呼ぶようなものだ。
鞄を「バッグ」ではなくて「グッズ・ハンドリング・ケース」と呼ぶようなものだ。
技術者を「エンジニア」ではなくて「マシーン・メイキング・マン」と呼ぶようなものだ。
学校の先生を「ティーチャー」ではなくて「スタディ・ティーチング・マン」と呼ぶようなものだ。

 これって正しい言葉と言えるだろうか? 正しいか正しくないかは意見の分かれるところだけど、少なくとも間抜けな用語であることだけは間違いないぞ。

[萩原]

 了解です。これから極力「ガスケット」という表現をしようと思います。
どれ位の艇がその用語を使っているのでしょうね?(東海・関西では聞いた事ない)

[岸田]

 岸田は「セイルタイ」って言葉を聞いたことがないっす。
いつも、「それ」とか、「そこのバッグに入っているヒモ」とか、「その縛るやつ」とか・・・・・・
それの方が100倍格好悪いってか。

[萩原]

 ヨット用語の場合、教えてもらった人が使っていた用語をそのまま憶えてしまいますね。
「その言葉はおかしい!」とうるさく言うのも問題でしょうけど、明らかに変な言葉を当たり前のように使うのも、恥ずかしい話かもしれませんね。

[岸田]

 ヨットはマイナーな上に村社会だから、方言が醸造されやすいのでしょう。
 そんな村社会の中でだけヨットを続ける分には、方言だけ覚えていれば済みます。
 しかしJUSTはそんなチームじゃないんですぜ。これからどんどん外に出てチャレンジを続けて行くチームなのだから、グローバルにならなければいけません。

[萩原]

 同じ英語圏でもオーストラリア人とアメリカ人とで用語が違うと思います。

[岸田]

  へい、そうです。
 懐中電灯のことを、アメリカ人は「フラッシュライト」と呼びますが、オージーが「トーチ」って呼ぶんですよ。
 オーストラリアでは、大昔のイギリスの言葉に似た用語が使われているらしいのです。

[萩原]

 で、結局「メンチャン」の場合、どうなのでしょう。
何でもちゃん付けする人が「めいんちゃん」とでも呼んでいたのでしょうかね?

[岸田]

 これは謎ですね。誰か知っていたら教えて。

 それと、もっともっとマイナーな方言があります。

「ナビ」
 この言葉を聞いたことのある人は少ないでしょう。ごく一部の人は、カッパのことをナビと呼ぶのです。
 その語源は「ナビ○ーゲル」。
 大昔、ヨット用のウェアは「ナビ○ーゲル」と言うブランドしかなくて、「カッパ=ナビ○ーゲル」だったので、そのナビ○ーゲルを略してナビと呼んでいたのです。
もう20年以上昔の話です。

 岸田もこのナビ○ーゲルを着たことがあるのですが、これは別名「ダメ○ーゲル」と呼ばれていました。ナイロンの素材に、裏側にコーティングしただけの防水性だったのですが、この裏側のコーティングがすぐに駄目になってしまうのです。防水効果があるのは新品のときだけで、すぐに裏のコーティングが剥げて来て、「単なるナイロンのウィンドブレイカー」になってしまったのです。
それで「駄目○ーゲル」。

[萩原]

 自転車の事を「ケッタ」「チャリ」と言うよりは、分かりやすいですね。

[岸田]

 岸田が最初に名古屋に行ったとき、自転車を「ケッタ」と言うのを初めて知った。
「チャリ」は時々他の地方でも聞くけど、ケッタは名古屋独自の言葉だろうな。

 ところで、九州の人の言う「ばってん」は、「But Then」が語源だそうだ。  どうして九州の人が英語の訛りを話しているんだ?  ちなみに、グッスリ眠るの「ぐっすり」は、「Good Sleep」の略だそうだ。本当かなあ。

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