3月25日に行われた、日産マリーナのクラブレース、「三河湾ヨットレース」の今シーズン最初のレース、「オーナーヘルムレース」についてご報告します。
■ コース
・1.2NMソーセージコース2.5周
(スタート→上→下→上→下→フィニッシュ)
■ ポジション
・バウ : 萩原
・マストハンド : なし
・ピット : 岸田
・トリマー : 宮地&大橋
・ランナー : 藤井&横田
・メイン : 三浦(新人、18歳)
・ヘルム : 堀田オーナー
■ 状況
萩原の産休宣言によりメンバー構成は厳しい状況となり、ポジショニングに苦慮していたのだが、25日朝、日産マリーナに行くと、なんと萩原が来ている。それもカッパ上下に身を包み、既に戦闘体制。
どうやら奥さんに家を追い出されたようだ。
話の判る奥さんなのか?
それとも「亭主元気で外が良い。」を実践しただけなのだろうか?
どちらにしろJUST唯一のバウマンの参加により、ポジショニングは何とかまとめることができた。
それにしても厳しい状況には変わりない。
1997年にJUST SEVENが売却されて以来、実に4年振りのレースである。
いや、それだけではない。この新艇購入以来、広島からの回航を別にすれば、セーリングしたのは2月の進水式だけだ。
進水式のときは、ただ一本コースを走って見ただけ。全く練習をしていない。
つまり、4年間の間、栄のネオン街を主な活動の拠点として来たメンバーだけで、練習なしでレースに臨もうとしているのだ。
出港前、藤井氏が桟橋に姿を見せた。
「いやあ、昨日の地震で広島の店が壊れちゃってよう。これから広島に行かなきゃならねえんだ。悪りぃな。」
「馬鹿言ってるんじゃねえ! JUSTが沈むかどうかの瀬戸際なんだ! 早く乗れっ!!」
商売の危機にある藤井を無理矢理船に積み込むと、いよいよJUST EIGHTは三河湾に出港した。
風は東の10knot。この軽風では、とりあえずクルーワークに失敗してもマストを折る心配は無さそうだ。後は他艇にぶつけなければ何とかなる。
エリカカップ過去最多優勝。三河湾の雄であるJUSTが、既に出港前からレース成績云々以前の問題を抱えてレースに臨んだ。
まずはスタート前に簡単な練習。
「ジブアップ!」
「ジブはどの袋だ?」
「ハリヤードはどれだ?」
混乱のまま練習は始まり、デッキ上には罵声が飛び交った。特にアフターガード方面からの罵声が凄まじい。後の方は姑/小姑の集団と化した。
「早くガイを引けっ!」
「オーナー、舵を切り過ぎですっ!」
ところが肝心のランナーが引かれておらず、両側のランナーがブラブラしたまま。
姑/小姑する前に、まずは自分の仕事をちゃんとやろう!
しかし、この短時間の練習は成果を上げ、レースは大きなトラブルもなく、とりあえずコースを走り切ることができた。
今のJUSTでは、下マーク回航時点でスピンが降りていないことや、ジブが上がり切っていないことなどは「大きなトラブル」とは言わない。
レース結果は6艇中5位。とても誉められた成績ではないが、1レグ毎にデッキ上の混乱も無くなり、最初に大きく先行された他のMUMM36にもどんどん差を詰め、段々とチームワークが醸成されて行くのがありありと見える内容のレースであった。
後はこれからの練習次第である。