なるほどミウラbyチャーリー岸田
初めて会ったときの印象は、「この子、ちょっと変」。
先週、岸田の会社の事業部長が、自分のヨット(YAMAHA-33ft)に会社の連中を乗せることになり、手伝いとして岸田が呼ばれた。岸田は別の事業部に属しており、そのセクションとは全く接点がないのだが、事業部長一人で素人の面倒を見るのが大変なので、社内では数少ないヨット乗りの岸田が応援
に呼ばれたわけだ。
沼津の重須港に事業部長が部下をぞろぞろ連れてやって来た。
しかし妙に船に馴れている様子だった。桟橋からヨットに乗り込むときの雰囲気が、素人とは違った。
岸田 「なんだ、ヨット乗ったことあるのか?」話を聞いて見ると、彼女は長崎の軍艦島の隣の周囲2kmの小さな島の生まれ。その島は炭坑だけでできていて、郵便局や駐在所、それとごくわずかな商店の関係者以外は、全員が炭坑夫とその家族。彼女の父親も炭坑夫だったそうだ。 小さな島なので車などの交通機関は必要なく、一番メジャーな乗り物が船。一家に1艇のボートがあったそうだ。また、レジャーは釣りだけ。なんだ飯田よりも田舎じゃねえか。こういうところで育ったならば、この天然ボケも仕方ないだろう。 彼女は子供の頃、長崎の方からやって来たヨットが釣りをしていると、わざとその近くにボートを泊めて、釣りをしたそうだ。当然島の子の方が釣りは上手い。ヨットが全然つれないのに、彼女の方がばんばん釣り上げるのを見て、ヨットの連中が悔しがる。それが楽しみだったそうだ。 ミウラ「子供の頃、隣の島に遊びに行こうとしたら、船外機のギヤが壊れて前進に入らなくなっちゃったんです。だからバックで隣の島まで行ったんですう。」とんでもないことをサラリと言うやつだ。まるでプーケット島とピピ島の間にあった小島に住んでいる原住民だ。 こいつはモノになるぞ。舵の切り方も、[素人にしては上手い]なんてレベルじゃない。大人になってからヨットを覚えた我々よりも巧みなものがある。 こんなところにこんな逸材が居たなんて、全く気付かなかった。 なんとかこいつをヨット界に引っ張り込んで、クルーとしてこき使ってみたいものだ。 以 上
|