by ショーケン
1996年。KENWOODに行った熱い夏も終わり、秋も終わろうとしていた、ある日の話である。 「!?・・・・・」と一瞬思ったが、偶然だろう。 車の通りの少ない田舎道とは言え、俺だってこうして走っているのだ。後ろの車だってたまたま同じ道を走っているだけなのに違いない。 が、内心気味が悪かった。駅のトイレでガラガラなのに、わざわざ隣で小便される、そんな気分だ。時間も夜中の1時前だし。 もうすぐコンビニがあるので、そこで熱いコーヒーでも買うか。と思ったら、前の信号が赤になった。 信号の前で停車すると、後ろの車が俺の車の右側、つまり反対車線に入り込み、隣で停車するではないか!
なんだ!こいつは?!
焦って隣に止まった車を見ると、左ハンドル車である。髪の毛の短い、サングラスのような眼鏡をかけた人相の悪い男がこちらを睨んでる。うへー、ヤバイじゃん。何なんだよー。 「すみませーん、JUSTの人ですよね?」と言い終わらないうちに信号が青に変わったので、俺は車を発車させた。 どうやら、俺に因縁をつけようって訳ではないようで一安心。しかし、何者なのだろう?名前がよく聞こえなかったな。 俺がJUSTのクルーである事がわかったのは、車の後ろにJUSTのステッカーを貼っていたからだろう。と言うことは、俺の後を追いかけてきたと言う事だ。 コンビニの駐車場に車を止めると、その男はマシンガンのように話始めた。 「はじめましてー。私、横田君の友人で岸田っていいます。今日は横田君の紹介で、JUSTの廻航に乗ることになりました。」これがチャーリー岸田氏と俺の、いや、JUSTとの出会いである。 この先の廻航で、岸田氏はその存在感を徹底的にアピールすることになるのだが、俺にとってはこれだけで充分だった。 やれやれ。
次回(岸田編)に続く。
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