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ビエンチャン紀行
by チャーリー岸田
 
その1「ラオス国営航空」

 日本からラオスへは直行便が飛んでいない。そのためタイのバンコクからラオス国営航空に乗り換えることになる。

 近年、バンコクでは入出国検査が慎重になり時間が掛かるため、早めにチェックインを済ませる必要がある。

 フライト2時間前にスワンナプーム空港(バンコク)のラオス国営航空のカウンターに行ったのだが、まだ係員が居なかった。ラオスはまだ行ったことがないが、おそらく万事がこの調子なのだろう。

 フライト1時間前を過ぎて、そろそろやばいと客が焦り始めた頃、やっと係員が来た。

 チェックイン後出国審査の長い列に並び、そのまま搭乗口へ直行。ラオス国営空港の飛行機に乗るときには免税店に寄っている時間などないようだ。

 この便の乗客全員が1台のバスに乗せられ向った先には中国製「新舟60型機」が我々を待っていた。

新舟60型機

 日本の外務省は、ラオス国営航空を利用する場合は安全上の理由からフォッカー70型機(オランダ製)かATR-72型機(フランス製)に乗ることを勧めているのだが、もうここまで来たら選択の余地はない。

 この飛行機は天井が低く席の上にある荷物棚も小さい。そのため通常の飛行機であれば機内持込できるサイズの荷物でも手荷物として預けなければならない。

 タラップの下には係員が居て、荷物棚に入らない大きさの荷物を持った客が来ると、その荷物を預って飛行機の右舷側に行き、外から荷物室の蓋を開けて中に入れてしまうのだ。まるで長距離バスの荷物室と同じである。

 お客全員が乗り込むとすぐに飛行機はプロペラを回し、空中へと舞い上がった。


 約90分後に到着したのは「ワットタイ国際空港」。ラオスの首都ビエンチャンにあるこの国で最も規模の大きな国際空港である。

 写真は、この空港の掲示板。これは復路で撮影した写真だが、筆者がこれから乗る予定の16:30発の便がまだ載っていない。

掲示板

 掲示板の右上にある時計は14:42となっており、この掲示板のほとんどの便は既に飛び去っている飛行機だ。表示されている便で一番最後の15:00発が飛んだ後、係員のおじさんが来てこのプレートの表示を張り替えるのだ。

 見てのとおりこの掲示板は全て手動。「1」「2」「3」・・・のプラ板を掲示板に貼り付けて行くのだ。この空港には掲示板はこの一箇所だけ。他国の空港にあるような、あちこちのディスプレイに出発予定が表示されているようなものはない。これがこの国で一番大きな国際空港である。


 話は一気に復路に飛ぶ。

 無駄と判っていながらやはりフライト2時間前に空港に到着した筆者は、エアコンのない待合室で伸びていた。

 フライト予定時刻1時間前にカウンターが開き、チェックインを済ませて今度は出国審査。ところが今度は出国審査の係員が居ない。担当の役人は飛行機の発着/到着の度に持ち場に現れ、それ以外のときはどこかで休憩しているのだ。もうこのパターンには馴れた。ここまで来たら焦ってもしかたがない。ところが筆者と同じ便に乗る予定の複数の西洋人が騒ぎ始めた。

「係員はどこだ! 早く手続きしろ!」

 いったい何を焦っているのだろう?

 話を聞いてみると、彼らはこのまま出国審査の役人が現れず、定刻になって飛行機が全部空席のまま飛んでしまうことを恐れているようだ。

 そんな馬鹿な。いくら社会主義国でも、定刻になって客が1人も来なければ航空会社も何か対応するだろう。まさか、

「出国審査が進まないのは我々航空会社の責任ではない。我々は乗客の有無に係らず定刻に出発すれば責任を果たせる。」

〜なんて対応はしないだろう。

 しかし多くの客が騒ぎ始めた。皆1人か2人連れ程度のグループだけで、バックパッカー風は居ない。バックパッカーがこの国に来るときは陸路で入ることを好むようだ。筆者以外の多くの乗客は、何度もこの国に来ているような風情を漂わせている。そんな連中が心配するのだから、もしかしたら「空っぽのまま離陸」と言う心配も杞憂ではないのかも知れない。

 フライト時刻直前に役人が現れた。往路と同じ人物だ。担当の役人も数人しかいないようだ。


 これがこの国の国際空港である。同じASEANの中でもタイやベトナムに比べて非常に規模が小さい。そして町に出ると、規模が小さいのは空港だけでないことが判って来た。



つづく


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