早朝、托鉢に歩く僧侶達のお経の声で目が覚めた。
昨夜はスコールの後涼しくなったので、部屋のエアコンを止めて窓を開けて網戸だけにして寝ていた。そのため静かなこの町では、まだ距離のある托鉢僧のお経も聞こえるのだ。
早速外に出てラオスの名物でもある托鉢を見物することにした。
オレンジ色の袈裟をまとった10数人の坊さんが、お経を読みながら一列に並んでこちらに歩いて来る、一般の人々は道端に膝を着いて僧侶の持つ手篭に食べ物を喜捨する。
写真を撮りたかったが、未だ朝早くストロボが必要な時間帯である。しかし托鉢の僧侶に向かってストロボを焚く訳にも行かない。それでは筆者も僧侶に喜捨しようかと思ったのだが、朝の托鉢では現金は受け付けないないのだそうだ。その日僧侶が生きて行くための食べ物だけを納めるのだ。人々は前日のうちに翌朝僧侶に喜捨する食べ物を用意しておくのだそうだ。
写真撮影も喜捨もできない観光客は、道端に正座して合掌。僧侶の行列をやり過ごす。
僧侶の列が去った後、次は今回の旅の目的の一つである「メコン川で朝ウン」に挑戦だ!
インド人が聖なる川「インダス川」に腰まで浸かって大便をするのと同様に、インドシナ半島に豊穣をもたらすアジアの母なる大河、黄金水道「メコン川」に入って朝のウンチだ。椎名誠の本によると、川ウンのコツは上流を向いて行うことだそうだ。下流を向いて放出すると、自分の排泄物が身体に邪魔されてなかなか流れて行かないから。
筆者は「海ウン」であればあちこちで経験がある。相模湾、駿河湾、アンダマン海、その他。しかし、日本ではなかなか川ウンできるような場所が少なく、川で遊んでいてもなかなか川ウンの機会が無かったのだ。
朝は次第に明け、少しづつ明るくなって来たが、朝ウンには問題ない。ラオスの面積は日本の本州とほぼ同じ。しかし人口は日本の1/20。東南アジアとしては非常に珍しいことに、人口が非常に少ない国なのだ。この国で一番人口密度の高い首都ビエンチャンでも、こんな早朝ではすれ違う人もまばら。首都のど真ん中とは言え、川ウンしていても誰に見られる心配もない。昨夜入った屋台の掘っ立て小屋を抜けて河原に入って行った。
しかし・・・・・・今は乾季の終わり頃。川の水が一番少ない季節だ。河原がやたらと広く、水面はまだまだ遠い。そして河原には山あり谷あり草むらあり。この河原を走破して水面に辿り着くためには本格的な藪漕ぎの装備が必要だ。とても短パンにサンダルで行けるような場所ではない。これは無理だ。引き帰そう。ところがホテル側に戻るのも一苦労。そのうちこちらの腹が限界を迎えて来た。ホテルまで我慢できそうもない。どうせ誰も見ていない。結局河原の草むらでの「河原ウン」となってしまった。これでは単なる野グソである。
結局この旅では残念ながらメコン川の水に直接触れることができなかった。
つづく